甲状腺とは?●構造と機能● 甲状腺は、のどぼとけの下あたりの気管の前面に張りつくように存在し、 右葉と左葉とそれをつなぐ峡部からなる臓器です。 (甲状軟骨のすぐ下にある事からこの名がついているそうです。) 蝶が羽を広げたような形で、重さ約15~20gほどの、 血管に富み、濃い赤褐色をした気管です。 この甲状腺は重要な役割を持っており、全身の発育を促進し、 新陳代謝を調節したり盛んにしたりする、甲状腺ホルモンを作っています。 活動するために必要なエネルギーを作り、 快適な生活を送るためになくてはならないホルモン、 それを合成しているのが甲状腺なのです。 甲状腺 ↓ ■甲状腺のホルモン■ 1・サイロキシン 甲状腺ホルモン、濾胞(ろほう)細胞より分泌 2・カルシトニン(甲状腺から分泌されるカルシウム代謝に関係したホルモンで 血中カルシウムの濃度を低下させる働きを持つ。) 傍濾胞細胞より分泌 ■甲状腺ホルモンの働き■ 1・基礎代謝率(BMR)の亢進 2・タンパク質、核酸代謝への作用 3・糖代謝への作用 4・脂質代謝への作用 甲状腺は、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)を分泌します。 サイロキシンは全身の細胞の酸素活性を高め、物質代謝を亢進します。 基礎代謝量は高まり体温は上昇し、脈拍数も多くなります。 この為、甲状腺ホルモンの分泌が過多の場合、バセドウ病となり 甲状腺が腫れ、強い頻脈、眼球の突出がみられるようになります。 また、成長期の初期より分泌が低下していると、 身体だけでなく知能の発育も妨げられるクレチン病となります。 成人期になって甲状腺機能が低下すると、基礎代謝、熱産生、精神活動の低下が起こり 四肢や顔面の皮下への粘液性水分の貯留などがみられ、粘液水腫となります。 ■甲状腺ホルモン異常の疾患■ -サイロキシン過多- バセドウ病・・・甲状腺腫と眼球突出 -サイロキシン欠乏- クレチン病・・・小人病、知能発達の遅れ、大きく突き出た舌と太鼓腹 粘液水腫・・・・びまん性脱毛、顔面浮腫・蒼白、皮膚乾燥、舌肥大 ■甲状腺機能異常における症状■
|